平成28年発行の『交通事故損害額算定基準-実務運用と解説-2016』(通称「青本」)の死亡事故欄に、当事務所の解決事例が掲載されました。
青本とは
「青本」には、①過去の裁判例の集積から導かれた交通事故事件における約束事と②新たな法律問題に関する画期的な裁判例等が掲載されています。
青本は、新刊が発行される度に、また、実際の事件の解決にあたり、弁護士及び裁判官が必ず目を通す文献であり、青本に掲載される裁判例は、交通事故事件にあたる法律専門家達の新たなルールを形作るものであって、実務に多大な影響を与えるものといえます。
死亡事故においては、例えば【近親者固有の慰謝料】や【生活費控除】など、死亡事故固有の問題が存在します。
ここでは、このような死亡事故における損害賠償固有の問題点に関し、青本において②画期的な裁判例として掲載された当事務所の解決事例をご紹介させていただきます。
掲載裁判例のご紹介
「青本」には、①過去の裁判例の集積から導かれた交通事故事件における約束事と②新たな法律問題に関する画期的な裁判例等が掲載されています。
2歳・男・幼児の死亡につき、死亡慰謝料2,800万円(本人2,400万円、両親各144万4,444円、兄111万1,112円)を認めた例(福岡地判平成27年5月19日)
この事案では、スーパーの駐車場内で2歳児が車にはねられて亡くなってしまったのですが、加害者は、被害者が車の死角で見えなかった、衝突防止ソナーが作動しなかったなどの理由から、自らの責任を否定していました。
これに対して、判決では、加害者の責任を認めさせるとともに、慰謝料について、通常2,000~2,200万円程度であるところ、両親や兄の慰謝料を含めて2,800万円と、大幅に増額して認められました。
当事案は、従来の先例を覆す画期的な裁判例であるとして、交通事故問題に特化した裁判所判例集である自保ジャーナル(自動車保険ジャーナル)にも掲載されています(自保ジャーナル№1,947号「新しい判例⑨」)。
また、西日本新聞にも関連記事が掲載されるなど、自動車のハイテク化に対する過信に警鐘を鳴らす判決として、社会的にも注目を集めました。
当事案の詳しい内容は、【解決実績】幼児の死亡事故で、加害者の無責主張を排斥し、2,800万円の慰謝料が認められた事案をご覧ください。
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